お話を伺った方
共済金サービス部 部長 大沢 嘉克 様
定型的な受付業務を自動応答化したい方
繁忙期における運用側の工数削減を実現したい方
スピーディーにボイスボットを導入したい方
コンタクトセンター混雑時の一次受付や資料請求・予約受付など定型的な受付業務を自動応答化したい
繁忙期における運用側の工数を削減したい
繁忙に合わせた人員調達(研修・教育含め)を回避したい
コールセンター
AIボイスボットクラウドサービス「ekubot Voice LITE」を導入
急激な呼量増加時に「ekubot Voice LITE」を導入することにより、定型的な受付業務を自動化し、24時間安定した受付を実現
「ekubot Voice LITE」導入により定型的な受付業務が効率化され、お客様へのサービス向上に向けた業務時間を確保
繁忙期における人員調達が不要となり、運用側の工数・コストともに低減
自然災害や感染症拡大などの緊急事態が発生した場合、コールセンターの呼量が急激に増加することが予測されます。共済事業を展開されている全国生活協同組合連合会様では、新型コロナウイルス感染症拡大時に、この課題に直面されました。そこで、ベルシステム24が自社開発したAIボイスボット※クラウドサービス「ekubot Voice LITE」を導入することで、新型コロナウイルス感染症に関する共済金の請求受付を自動化。それにより、安定した受付の確保、迅速なお支払い、ご加入者様へのサービス向上を実現されました。
※ボイスボット:AI搭載の音声認識が可能なソフトウェアを用いることで、利用者が自然言語による音声発話により自動応答システムを操作できる仕組み。
共済金サービス部 部長 大沢 嘉克 様
各都道府県民共済の元受団体である全国生活協同組合連合会(以下、全国生協連)。共済の受付窓口は各都道府県民共済(神奈川県は全国共済)が担当していますが、新型コロナウイルス感染症の第7波により2022年7月以降に陽性者が急増した際は、いわゆる「みなし入院※」の共済金請求が増加し、各所の電話が非常につながりにくい状況になったと言います。
※みなし入院:保険(共済)の加入者が新型コロナウイルス感染症と診断された場合、自宅や宿泊先での療養でも入院とみなされ、入院給付金(共済金)が支払われるという対応
「この状況を受け、全国生協連ではインターネットのマイページ(加入者様専用ページ)への誘導などの対応策を講じましたが、それでも電話がつながりにくい状況が続いたため、新たな対応策を検討していました。その際、当会の火災共済金請求受付業務の一部を委託しているベルシステム24に、以前から一緒に検討を進めていたAIボイスボットクラウドサービス『ekubot Voice LITE』の緊急導入を相談しました」(大沢氏)
「ekubot Voice LITE」は、当社が提供するコンタクトセンター自動化ソリューション「ekubot®」シリーズの一つで、窓口への問合せの集中により対応しきれない電話に自動音声で対応する、AIボイスボットクラウドサービスのエントリーモデルです。
そして全国生協連とベルシステム24は、コロナ禍での対応課題に直面する以前から、自然災害時の共済金請求を安定的かつ迅速に対応するため、定型的な受付業務を自動音声で応答する「ekubot Voice LITE」の導入検討を進めていました。
「この導入を急遽、新型コロナウイルス感染症に関する共済金請求受付の対応に切り替えることができないかと考え、ベルシステム24に相談しました」(大沢氏)
全国生協連からの相談を受け、ベルシステム24では「新型コロナウイルス感染症に関する共済金請求受付」(以下、コロナ請求受付)の自動化を迅速に実現するべく、プロジェクトを発足。約1カ月後のカットオーバーを目指しました。
「準備を進める際に最も気がかりだったのは、自動音声のみで対応をクロージングできるか、という完了率です。せっかくお電話をいただいても、自動応答がわかりにくいと感じて途中で離脱してしまうのではないかという不安がありました」(大沢氏)
そこで、ベルシステム24では、長年培ってきた保険業界での業務運用ノウハウを基に、全国生協連と連携し自動受付のシナリオを設計。機械操作が不慣れな方でも、使い慣れた電話でのボタンプッシュと発話だけで請求受付ができるよう、システムを構築しました。
「ベルシステム24からは、これまで培ってこられたノウハウや成功事例に基づき丁寧にアドバイスしていただきました。その結果、当初起案したシナリオを実用性の高いものにブラッシュアップすることができました」(大沢氏)
また、大沢氏は「『ekubot Voice LITE』は回線数が限られるため、電話がつながらない状態になる可能性も懸念していた」と話します。この点については、電話番号を複数用意し、臨機応変に増減させることで、繁閑に合わせて対応していきました。
こうして全国生協連とベルシステム24が協力し合い、準備を進めたことで、要件定義から設計、構築、導入まで1カ月弱という短期間で、コロナ請求受付の自動化を実現しました。
コロナ請求受付を「ekubot Voice LITE」導入により自動化したことで、都道府県民共済グループでは主に3点の成果が生まれたと言います。
1点目は、24時間いつでもコロナ請求を受け付ける体制を確保できたことです。各都道府県民共済で受けているコロナ請求受付の入電を集約し、自動化したことにより、安定した受付業務を推進できるようになりました。
「通常、共済金のご請求は各都道府県民共済で電話対応しており、そのうちの一部が全国生協連にも入ります。コロナ請求受付が集中した際も、ご加入者様から全国生協連に連絡が入り『なぜこんなに電話がつながらないのか?』とお叱りの言葉をいただきました。しかし、コロナ請求受付を自動化し有人対応が減少したことで、お客様のつながらない不安を軽減できたと思います」(大沢氏)
実際、ご加入者様が「ekubot Voice LITE」を経由して請求受付できていることは、システムの電話対応ログでも示されており、ピーク時のご利用件数は月間で最大7万5,000件、申請完了率は約60%となっています。
2点目は、「都道府県民共済グループの使命である『迅速なお支払い』を実現できたことです」と大沢氏は語ります。
「共済事業の最大の目的は『万一の時、ご加入者へ約束した共済金を迅速にお支払いする』ことです。新型コロナの第7波では、一時的に共済金請求が集中したことによって電話対応が追いつかなくなり『迅速なお支払い』に支障をきたす事態となりました。ところが、『ekubot Voice LITE』導入により受付窓口を確保できたと同時に、受電後の後続処理も自動化したため、職員が支払い業務に時間を費やせるようになったのです」
オペレーターが電話で請求を受け付けた場合は請求内容などの入力作業が発生しますが、今回は請求受付登録を自動で行えるシステムを実現。それによる業務効率化も大きなメリットだと大沢氏は言います。
「ひっ迫していた事務処理を効率化したことにより『迅速なお支払い』が実現でき、ご加入者様へのサービス向上につなげることができました」
3点目は、オペレーターが対応する場合と比較してコストを低減できたことです。
大沢氏は「もし、各都道府県民共済のオペレーターをさらに増員していたら、『ekubot Voice LITE』導入の何倍というコストがかかっていたと思います。グループ全体でコストを抑えることができました」と話します。
「ekubot Voice LITE 」の導入により、激増したコロナ請求受付を安定かつ迅速に対応された全国生協連。大沢氏は今回の取り組みを次のように振り返ります。
「コロナ禍では、感染状況による業務量の急激な変化や支払い条件の変更など、様々な対応が求められました。特に2022年は動きが激しかったのですが、その中でベルシステム24は臨機応変に対応してくださいました。自動化の運用後もベルシステム24が持つ幅広いノウハウや経験を基に、当会からの改善要望に柔軟に対応してくださり、私たちが目指すものに近づけていただきました」
さらに大沢氏は「『ekubot Voice LITE』は手軽に導入でき、繁閑に合わせて回線数の増減を調整できた点も良かった」と語ります。
今回の成果を受けて、全国生協連が次に目指すのは、自然災害請求受付での「ekubot Voice LITE」活用だと言います。
「2022年9月26日以降は『みなし入院』の取り扱いが変更されたこともあり、新型コロナの請求受付は減少傾向にあります。そこで、コロナ請求受付用の『ekubot Voice LITE』は役割を終える見通しです。一方、以前から検討していた自然災害請求受付の『ekubot Voice LITE』が近々稼働する予定です。自然災害発生時は一時的に電話受付が集中しますので、そのような場面で活用したいと考えています」(大沢氏)
コロナ請求受付の自動化が成功事例となり、別業務での展開が期待できると言います。
「ベルシステム24には長年、夜間・休日のコールセンター業務(24時間365日の火災事故受付)を委託しており、都道府県民共済グループの特色や業務内容等をご理解いただいています。こちらからの質問や要望にも的確かつ誠実にご対応くださり、安心してお任せすることができると感じています。今後も引き続き、共済金請求受付業務と『ekubot Voice LITE』の運用についてご支援・ご協力をお願いします。また、デジタル技術の進歩に伴い、ご加入者様へのサービス向上と業務の生産性向上の両面で効果的なサービスがあれば、積極的にご提案いただけることを期待しています」(大沢氏)。
全国生活協同組合連合会 様
消費生活協同組合法に準拠し、厚生労働省の認可を受けて昭和46年12月18日に設立された非営利の生活協同組合。暮らしを守る手軽で安心・堅実な保障制度として信頼を集めている県民共済・都民共済・府民共済・道民共済・全国共済(神奈川県は全国共済と呼称)の元受団体。会員数51生協、出資金2,601億3,697万円(2022年3月31日時点)。