お話を伺った方
コンシューマ事業推進本部 お客さまサポート部 部長 山縣 憲一 様
お客さまサポート部 サポート統括チーム 江口 信 様 川尻 拓也 様
顧客一人ひとりの実情に合わせて情報提供できるツールを用意したい
顧客の問題や困りごとを的確に解決してCXの向上につなげたい
コンタクトセンターでの顧客への対応を「感動する受け答え」に変えたい
お客様を待たせずに個別のお悩みを解決したい
お問い合せ時の不快感を減らし、感動レベルの満足を与えたい
利用するお客様の満足度向上を通じてロイヤルティを高めたい
コンサルティング&アナリシス
お客様起点での課題(期待とギャップ)を可視化し、コミュニケーターにとって必要となる支援機能を整備
顧客の個々の事情や工事履歴などが把握できる「お客さまカルテ」、トラブルシューティングの方法を“見える化”してベテラン並みの受け答えが可能になる「応対フロー型ナレッジ」、支払い料金の変化もすぐにお知らせできる「料金計算ツール」を実現
お客様から「ありがとう」などポジティブワードの出現が大幅増
使いやすい応対フロー機能の実装で、新人コミュニケーターの定着率が上昇
経験の少ないコミュニケーターが短期間でベテラン並みに業務に習熟
コンシューマ事業推進本部 お客さまサポート部 部長 山縣 憲一 様
お客さまサポート部 サポート統括チーム 江口 信 様 川尻 拓也 様
株式会社オプテージ(以下オプテージ社)は関西電力系のインターネット回線事業者として関西地区で最大級のシェアを誇る企業です。2001年から高速かつ信頼性の高い独自の光ファイバーネットワークを利用したFTTH(Fiber to the Home)回線サービス『eo光(イオひかり)』を展開するほか、大手のハウスメーカーやマンション開発事業者、携帯電話事業者とも組んで相手先ブランドでも光回線サービスを提供しています。
光回線事業者では現在、既存のお客様からの問い合わせやトラブルシューティングを、的確かつ素早く解決することで「感動していただけるサービス品質」を提供できるかが重要になっています。
「我々も『顧客を起点としたサービス』をより重視しなければならないという観点から、お客様の利用体験(CX)を高めるしくみが必要だと判断しました」と話すのは、オプテージ社のコンシューマ事業推進本部お客さまサポート部の山縣氏です。従来の基幹システムの情報は、社内の主業務に関する手続きや作業を効率的に進めることに主眼が置かれていました。その中にも顧客情報は含まれているが、必ずしも顧客対応窓口で実際に応対を行うコミュニケーターが使いやすい状態にはなっていませんでした。
光回線事業者の顧客は幅広く、使い方も多種多様。仕事に使うのか、単に動画を見るだけか、顧客それぞれの利用状況が異なります。また顧客には、ITの知識が豊富で初歩的な説明はいらないと考える人もいれば、パソコンやスマートフォンの操作方法から順序立てて解説しないと解決が困難な人もいます。オプテージ社はその顧客ごとの事情を把握して、もっとカスタマーサービスの品質を高めることが必要だと判断。これまでの顧客に関するデータを統合管理できるCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム=顧客情報基盤)を独自に整備した方がよいと考え、2016年後半から導入を模索していました。
オプテージ社は顧客対応窓口を担当するコミュニケーター支援システムを構築するため、コンペで複数の候補からベルシステム24を選ばれました。
オプテージ社の顧客対応コールセンター業務は、ベルシステム24を含めて数社が請け負っています。そこでベルシステム24のコンサルティング部門のエキスパートが、コールセンターでどのようにコミュニケーターが受け答えすれば問い合わせをしてきたお客様が満足するのかを調査・検討。オプテージ社のコールセンターを担当するコミュニケーターにアンケートやインタビューを実施する一方、実際にどのような問いわせがあるかの定性データを分析しました。
狙いである「CXの向上」につながる情報ソースを整理し、具体的な問い合わせシーンに沿う形で必要な機能を整理して、コミュニケーターが操作するPC画面やタブレット端末に表示する⸺。そんなUI(ユーザーインターフェース)を考案し、オプテージ社に提案しました。
「ベルシステム24の提案は、コールセンターで顧客応対を担う現場との連携が密で、実際の業務内容を的確に把握し、応対の際に必要になる『あるべきUI』が具体的に描けた提案でした。他の会社は、現場ニーズからやや遠い機能を提案していた印象がありました。その点でベルシステム24への発注は理に叶っていると判断しました」
オプテージ社の山縣氏は、ベルシステム24の提案を採用した決め手をこう説明します。コミュニケーターが真に使いやすいUIは3つの柱から成り立っています。①お客様一人ひとりの、住居形態(マンションか戸建てかなど)や世帯状況、導入しているサービスの内容、過去の工事や問い合わせの履歴がわかる「お客さまカルテ」、②問い合わせの内容ごとに、どう受け答えすればよいかがわかる「応対フロー型ナレッジ」、③新しいサービスやオプションなどを追加した、または提案した際に新しい料金について計算情報を表示
する「料金計算ツール」⸺の3つです。
顧客情報を単に表示するだけでなく、問い合わせの内容にリンクした形で応対フローが表示されるため、対応したコミュニケーターが初心者であっても、スムーズで的確な応対が可能になります。
さらに、「お客さまカルテ」には応対したコミュニケーターが顧客についての所見を書き込む欄も用意。例えば、「このお問い合わせをしてきたお客様は、専門用語では伝わりにくいので簡単な用語を使って説明しましょう」などと書き込めるようにしたのです。
すると、後日の問い合わせで別のコミュニケーターが対応した場合にも、「このお客様には簡単な用語で説明すべきなのだな」ということが分かるようになりました。
過去にあった問い合わせ内容や、どんな端末を使っているか、過去にどのような困り事で問い合わせしてきて、それをどう解決したのかの履歴も「お客さまカルテ」には残されています。このため、新しいコミュニケーターが担当しても、いちいち過去のことを聞き返す必要がないため、お客さまを待たせずに「新しい困りごとの核心」に迫れるのです。
これがお客様からの「ありがとう」「すぐに解決できてよかった」といったポジティブな反応にも現れ、安堵感だけでなく感動ももたらすようになりました。
調査とコンサルティングに着手してから約2年後の2019年11月、何度かのテストを経てコミュニケーター支援システムが導入されました。「以前とは異なるコミュニケーターが担当しても、これまでの履歴情報が一目で把握できるため、何回も同じような質問をする回数が減ります」と、お客さまサポート部サポート統括チームの江口氏が運用後の状況を解説します。「その分、お待たせしなくてよいし、素早く的確にトラブルの原因を探ることができるようになりました」
株式会社オプテージ 様
企業サイト:https://optage.co.jp/
関西電力グループのISP(インターネット・サービス・プロバイダー)として地盤とする関西地区では最大手級。携帯電話事業では「mineo(マイネオ)」ブランドを展開する。資本金は330億円(関西電力の100%出資)、2021年3月期の売上高は2608億円。従業員数は約2700人(21年4月1日現在)。