お話を伺った方
ネットワークサービスセンター業務運営第三課 課長 渡邊 忠行 様
ネットワークサービスセンター業務運営第三課 副長 児玉 秀樹 様
ネットワークサービス部 サービス総括グループ 副長 長本 敏 様
業務の効率化や業務時間の削減に向けてBPOを検討されている方
属人化された運用を集約したい方
人件費など業務効率化のためのコストを抑制したい方
事業環境の変化に迅速・的確に対応したい
社員のノウハウを集約し、業務を標準化・効率化したい
人件費など業務効率化のためのコストを抑制したい
BPO
社員が遂行していた託送料金計算業務の委託化により業務の効率化と時間削減を実現
属人化された運用を集約し効率化したことにより業務時間を削減
BPOにより社員の時間外勤務が減少
業務の増加に対応できる体制構築
ネットワークサービスセンター業務運営第三課 課長 渡邊 忠行 様
ネットワークサービスセンター業務運営第三課 副長 児玉 秀樹 様
ネットワークサービス部 サービス総括グループ 副長 長本 敏 様
2020年4月から施行された電気事業法の改正に基づき、中国電力株式会社の送配電部門が分社化し設立された中国電力ネットワーク株式会社(以下、中国電力ネットワーク)。同社は一般送配電事業者として24時間365日、電気のある暮らしを守り抜いています。その中で、ネットワークサービスセンター(以下、NSC)は、小売電気事業者等との連絡窓口や託送供給等の契約、託送料金の計算・収納、コールセンター業務など、中核的な役割を担っています。
「分社化以降、NSCは業務運営体制を整備・強化してきましたが、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、お問い合わせやお申し込みが急激に増加しています。また、2023年には新託送料金制度※が導入されるなど国レベルでの新たな検討が進んでおり、そうした改革への対応が重要な課題となっています」(渡邊氏)
※新託送料金制度「レベニューキャップ制度」:国が一般送配電事業者に対して「収入上限」を設け、その上限の範囲内で託送料金を設定するという新たな制度。そのため一般送配電事業者は、積極的に効率化・コスト削減に取り組む必要が生じる。
そこで中国電力ネットワークは、定型化された託送料金計算業務の一部を2022年10月から段階的にベルシステム24へ委託し、効率化を図ることを決断。「ベルシステム24にはNSCのコールセンターを開設した2019年2月からパートナーとして共に歩んでいただいており、さらに、親会社である中国電力のコールセンターも20年近くにわたり担当いただいています。そのため、専門用語や専用システムを多く用いる当社の業務に精通されていることが、今回委託先となった大きな要因でした。また、業務の安定稼働や品質の確保に向けた取り組みを高く評価していたことも、決定要因の一つです。ベルシステム24は、私たちが新しいことにチャレンジするには最適なパートナーだと思い、迷いなく委託を相談しました」(渡邊氏)
託送料金計算業務を委託するにあたり、現行と遜色のない業務品質を確保できるかが懸念だったといいます。
「託送料金等の計算・請求誤りは、小売電気事業者等へ大変ご迷惑をおかけすることになります。そのため、綿密な事前準備が必要でした」と児玉氏。加えて、他の一般送配電事業所であまり例がないBPOであることも懸念事項でした。
「ほかの電力会社にBPOの現状を聞いても、託送料金計算業務の例はあまりありませんでした。前例が少ない中、短期間でスキームを構築することは大きな課題でした」(児玉氏)
そこで、中国電力ネットワークとベルシステム24は2022年2月から、両社が協力し合いながら主に次の4点に着手しました。
1点目が「委託化までの工程表の作成」です。「工程表作成にあたっては、委託できる業務を洗い出すことからスタートしました。各業務の内容や量によって発注量が変わるので、かなり厳密に精査しました」と児玉氏。ベルシステム24からも業務の棚卸し案を提示し、一緒に検討を進めました。
2点目が「ベルシステム24の管理者の業務習得」です。管理者が基本的な業務知識を習得した後、中国電力ネットワーク社員と一緒に実際の業務を経験。「座学と実務に並行して取り組んでいただいたことで、実践的なスキルを習得していただけたと感じています」と児玉氏。また、管理者は単に業務を習得するだけではなく、業務内容をブラッシュアップし、その内容を提案。さらなる業務の効率化を目指しながら、業務を習得していきました。
3点目が「マニュアル作成」で、両社が最も注力した取り組みです。NSCでは社員が作成した現行のマニュアルを基本に、個々の社員が蓄積してきたノウハウを最大限反映。それをベルシステム24が見直し、それぞれの運用を集約して、より効率良く業務を遂行できるマニュアルを完成させました。
「新たなマニュアルを作成いただいたことで、私たちが十分と思っていても、ベルシステム24の視点では不十分なこともあることが分かり、新たに気づくことが多かったですね」(児玉氏)
「社員それぞれが実施していたことやノウハウが可視化され、それらをベルシステム24が集約化・標準化してくださり、新人教育にも活用できるなど、NSCにとってもいいマニュアルができたと評価しています」(長本氏)
そして、4点目として「人材の採用・教育」の取り組みです。マニュアルをベースにしながら実際の業務を遂行するための仕上げとして、ベルシステム24ならではの強みを活かしました。
「人材については、中国電力の業務経験のあるコミュニケーターを配属するなど、当社業務に精通した方々を最大限確保してくださいました。それにより、円滑な業務運営につなげていただいていると評価しています」(長本氏)
「イチから説明しなくても、中国電力やNSCの知識・専門用語を理解してくださっているコミュニケーターに業務を委託できたことは安心でき、ありがたかったです」(渡邊氏)
とはいえ、新たな業務であるため、コミュニケーターにとって理解がしにくい内容もありました。そこでベルシステム24では、中国電力ネットワークの社員の皆さんと意見交換しながら教育を実施。「綿密にコミュニケーションを取っていただいたことは、業務委託をスムーズに開始できた成功要因だと感じています。また、マニュアル化して教育・発信することで、私たち社員の知識も向上しました」と渡邊氏・児玉氏は振り返ります。
2022年10月にBPOを開始して以来、いくつかの成果が生まれています。
「一番大きな成果は、それまで託送料金計算業務に関わっていた社員が、新たに、他の業務の強化・対応にあたることができるようになったことです。今後も新しい業務が増えていくことが予想されるので、そのための人員確保ができるようになっています」と渡邊氏・児玉氏。一方、委託先であるベルシステム24でも、マニュアル化の際に運用を集約して業務の効率化を目指したことで、想定していた業務時間を削減することができました。
また、BPOに際して運用をマニュアル化できたことも大きな成果だと語ります。
「個々の社員が蓄積してきたノウハウや属人化された運用をベルシステム24に標準化していただいたことで、業務の効率化に加え、より安定した運用や高品質な業務につながるものと期待しています」(長本氏)
さらなる効率的な業務運営や業務品質の向上に向けて、今後もBPOを検討していきたいという中国電力ネットワークのNSC。
「当社では専用システム及びその補足ツールを使用した業務をはじめとして、 紙帳票を使った業務など、個別対応の業務も多くあります。そのため今後も、託送制度見直しの動向や業務のシステム化などの状況を見極めつつ、デジタル化、ペーパーレス化、BPO化を継続的に検討していきます。これまでパートナーとして共に歩んできたベルシステム24には、今後も外部の視点からの積極的な提案を期待しています」と渡邊氏。
また、長本氏は「NSCは組織の中でも中核的な位置づけです。託送料金の請求やコールセンターでの対応など、お客様と一番近い組織のため様々な業務が集中しています。これまでは社内で自己完結するという考え方が主でしたが、外部の力を借りて運用していくほうがより品質が高く効率が良いという業務もあるので、引き続きBPOを検討していきます」と語ります。
中国電力ネットワーク株式会社 様
電気事業法の改正に伴い、2019年4月1日に中国電力から分社化され設立。主な事業内容は、一般送配電事業、離島における発電事業。サービス区域は、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、兵庫県のうち赤穂市福浦、香川県のうち小豆郡・香川郡、愛媛県のうち越智郡・今治市の一部(吉海町、宮窪町、伯方町、上浦町、大三島町、関前)。資本金200億円(2022年3月31日現在)