お話を伺った方
オペレーション部門 クオリティ マネジャー 森田 泰臣 様
クオリティ アシスタント エグゼクティブ 鈴木 智美 様
お客様の変化に合わせてコンタクトセンターをデザインしたい
各種ソリューションを活用し、業務の効率化・コスト削減をはかりたい
効率的にデータを収集し、活用したい
コストをかけずに受電数の急増にも対応できる体制を構築したい
問い合わせを電話からチャットやメールなどに誘導したい
センターに集まるデータを有効活用したい
コンタクトセンター
加熱式たばこ『glo™』の発売に向けコンタクトセンター(2拠点)を立ち上げ、運用を安定化。
オムニチャネル
メール・チャット等への誘導や、Chatbot設計・導入・運営による顧客接点の多様化。
大規模なコンタクトセンターを短期間で立ち上げ、高度化もスムーズに推進
オムニチャネル化により大幅なコストダウンとユーザーの志向に合わせた対応を実現
IVR(自動音声対応)やSNSを活用して受電の約50%をChatbotに誘導し、業務の効率化や分析へ活用できるデータの蓄積
オペレーション部門 クオリティ マネジャー 森田 泰臣 様
クオリティ アシスタント エグゼクティブ 鈴木 智美 様
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン様(以下BATジャパン)とベルシステム24のお取引は、2006年に始まりました。2013年頃からベルシステム24との関わりを持つBATジャパンの森田氏は「応対品質やレポート、エスカレーションなど、それぞれの対応が細やかで丁寧。例えば、課題が放置されないように『このような問題が2件起きたら報告して欲しい』といったルールを決めていたのですが、運用期間が長くなるにつれて、ルールがだんだん複雑になっていきます。ルールの変化に柔軟に対応しながら、正確なオペレーションができるのは長年の実績とノウハウを持つ同社ならではだと感じます。」と評します。
2016年、ブリティッシュ・アメリカン・タバコとして初の加熱式たばこ『glo™』が、世界に先駆けて日本で発売されることになりました。製品問い合わせ窓口であるコンタクトセンターの立ち上げ時に、イギリス本社より「グローバルで共通のベンダーにしてはどうか」という提案があった一方で、BATジャパンは海外のメーカーにとって、日本のマーケットは独特であるとの認識からそこに疑問を投げかけました。「例えば製品にトラブルがあっても、海外の消費者はあまり気にせず、メーカーに問い合わせることも少ない。一方、日本では製品に対する期待値が高いせいか『Zero-Defect(ゼロ・ディフェクト)』、つまり不良品がないのが当たり前だと感じる消費者が多い。文化が大きく違うのです」と森田氏は解説します。
従来の紙巻たばこは、楽しみ方もシンプルで、新製品の発売も頻繁ではないため、お客様からの問い合わせ数の波が少なく、内容も比較的単純です。しかし、BATジャパンが初めて発売する加熱式たばこは、市場からの注目度も高く、問い合わせの急増や、さらにはデバイスが電子機器であるために使い方や不具合など、問い合わせ内容も複雑であることが予想されました。大々的な発売キャンペーンも予定されていたため、日本のマーケットを理解していないベンダーに任せると難航するのは目に見えていました。継続的に『glo™』を販売していく上で、問い合わせをより良い顧客体験に変えることが欠かせません。そこで、日本のお客様に合った対応が可能なコンタクトセンターとして選ばれたのが、ベルシステム24でした。
「もちろん紙巻たばこの問い合わせ対応での実績、信頼もありますが、一番大きな決め手になったのは、様々な業界のコンタクトセンター運営を支援し、多くのノウハウを蓄積している点。初めて『デバイス』を発売するにあたって、電子機器などのメーカー支援で培ったノウハウなど、当社には当時なかった知見を提供してもらえるのではないか、と期待しました。また、高度なオペレーションを実現するコンサルティングサービスやITソリューションが充実している点も魅力でした。当初は電話とメール対応で始まりましたが、チャットやChatbot対応の業務設計から運用、データ活用までワンストップに対応できることから、未来を見据えてベルシステム24を選びました」と森田氏は力強くうなずきます。
『glo™』のコンタクトセンターの運営は、2021年末までで、大きく3つのフェーズに分けられます。フェーズ①は立ち上げからの安定化。フェーズ②はコンタクトセンターの高度化。フェーズ③は業務効率化とデータ活用です。
『glo™』は仙台限定販売からスタートして徐々に全国へと拡販したため、コンタクトセンターへの入電量も大きく変化していきました。「発売当初は予想以上の売れ行きで、店頭在庫に限りがあり入手しづらい状況が続いている時期もありました。すると『なぜ買えないのか』『どこで買えるのか』といった問い合わせが急増しました。これに対してベルシステム24は様々なソリューションを持っていたため、安心してお任せできました」と森田氏は言います。
大規模なコンタクトセンターの立ち上げ期においては、まず安定稼働へと導くことが重要です。
ベルシステム24は『ナレッジチーム』という運用設計チームの設置を提案しました。このチームが、BATジャパンと密にコミュニケーションを取りながら様々な施策を企画し、現場での実行へスムーズに橋渡しをします。FAQを作り、コミュニケーター同士の共有機会を頻繁に持つことで応対品質を一定以上に保ち、さらにあえて2拠点にセンターを持つことで短期間でのコミュニケーターの採用や戦力化を実現。安定化に成功しました。
次のフェーズでBATジャパンが課題として捉えていたのが、お客様の年齢層やニーズの変化に合わせた、コンタクトセンターの高度化、オムニチャネル化です。その実現に向けて、まずチャットでの問い合わせ対応を開始しました。既に『glo™』の発売から1年ほど経ち、問い合わせに関するデータが蓄積されており、それをチャットにも適用することでスムーズに移行できました。さらに、新製品発売後の問い合わせに対応するため、電話での応対から、IVR(自動音声対応)によるメールやチャット対応への誘導を提案しました。コミュニケーターで対応しきれない問い合わせが発生したときは、電話をかけてきたお客様に対し、特定のボタンを押せばSMSでURLが送信されメールやチャットでの対応に誘導する仕組みです。
さらに、AIが自動応答するChatbotの構築・導入もベルシステム24がサポートしました。最初は一問一答式の問い合わせ対応から始まり、その後は少しずつシナリオを複雑化し、現在は製品の交換対応まで可能になっています。「もしITベンダーさんに依頼していたら、まずは業界や企業文化を理解していただき、その後は実際の問い合わせ内容を把握してもらって...と様々なプロセスが必要になっていたと思います。ベルシステム24の場合はそういった事前知識は既に充分インプットされていますし、『こういった質問の次にはこのような質問が来る』というナレッジが蓄積されているので、シナリオ構築においても大きな助けとなりました」(森田氏)。鈴木氏も「電話ではなくテキストでやり取りをしたいというお客様のニーズにスピーディーに応えられたのは、やはり長年のお付き合いや、ノウハウのおかげです」と話しています。2021年末には、問い合わせの約50%をメール・有人チャット・Chatbotなどのテキストでの対応へと誘導できており、大幅なコストダウンにもつながっているそうです。
最近も新しい取り組みを積極的に行っており、お客様の問い合わせが自動的にテキスト化され、回答が表示されるCRMシステムが2022年から本格稼働を予定しています。経験の浅いコミュニケーターでもスムーズな応対が可能になるだけではなく、様々な問い合わせの履歴が自動的に残せるという点もメリットです。
「コンタクトセンターには、1ヵ月あたり数万件単位の問い合わせが寄せられており、これらの履歴をデータとして蓄積することで、様々な分析での活用が可能となります。データ分析からお客様の声を理解し、商品開発や様々な施策へと活かすサイクルを、より加速していきます。」と森田氏は言います。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社 様
企業サイト:https://www.batj.com/
イギリスに本社を置く、グローバルたばこメーカーの日本法人。代表的なブランドは『ラッキーストライク』『ケント』『キャメル』など。2016年に世界に先駆けて加熱式たばこ『glo™』を発売した。2020年度の売上高は257.7憶ポンド(全世界での売上)。従業員数は約750名(21年12月1日現在)